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ネパールでエンジニアとして働く Nirmal Adhikari は、地震がもたらす惨状をじかに目にしました。彼はまた、被害状況を評価したくても、なかなかコミュニティーにアクセスできないフラストレーションも実感しました。

「バスや交通機関で現地に辿り着くことはできませんでした。アクセスが禁止されていたためです。大勢のエンジニアを配置しなければならなかったのですが、それには相当な時間がかかりました」。2015 年のネパール大地震を振り返り、Adhikari はこのように言いました。「このことが理由で、私たちは多くの人手を要することなく迅速に作業を行えるよう、何か対策を取らなければならないと思ったのです」。

Adhikari と、Build Change で働く彼の同僚たち (Lakshyana K.C.、Nicolas Ortiz、Shreyasha Paudel、Kshitiz Rimal) は、人工知能によって検査を自動化し、地震で住む場所を追われた人々がすぐに自宅に戻れるようにできないかと考えました。

彼らがチームとして作り上げたのが、この Post-Disaster Rapid Response Retrofit (PD3R) です。3D モデル画像で学習した AI に基づくこのソリューションによって、自然災害後に住居を追われた家族がすぐに構造工学上のアドバイスを受けられるようになる可能性があります。PD3R は 2018 Call for Code Global Challenge で準優勝作品として選ばれ、25,000 米ドルの賞金と The Linux Foundation による長期のオープンソース・サポートを獲得しました。

「地震が発生すると、住居が全壊するか、部分的に損傷を受ける可能性があります」と、Ortiz は言います。「PD3R で目的としているのは、再建または補強することが可能な住居を、人工知能を使用して短時間で評価することです」。

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チームは Watson Studio を使用して、2,000 点を超える画像をベースにカスタムの視覚認識モデルを作成しました。IBM Watson API を使って建物の構造的な損傷を評価し、住居を完全に再建するのではなく、改造できるかどうかを判断します。

「分類子のトレーニングには、Watson Visual Recognition エンジンを使用しました」。Paudel の言葉です。「また、モバイル・アプリケーションを構築するために Watson API も使用しました。住居の所有者が画像をアップロードするこのアプリケーションに分類子をデプロイするためです」。

このソリューションにより、2015 年のネパール大地震で住居を追われ、未だに支援を待っている 100,000 人を超える人々への建設チームの配備が迅速化される可能性があります。こうした人々にとって、損傷を受けた後の自宅が構造的に安定しているかどうかを迅速に把握できる機会になるはずです。

「ネパールでは誰もが、次の大災害に国がどのように対応できるかについて不安を持ちながら生活しています」。K.C. はこのように続けます。「そのため、災害の多い地域内に構造工学上のアドバイスを無料で提供できる動的人工知能をデプロイし、最終的には災害後の人命救助に役立てるようにしたいと思います」。

ネパール、コロンビア、米国を拠点とするこのチームは、このコンセプトを世界中に広げ、迅速にデプロイして災害直後に稼働できる、各国ごとのシステムにすることを目指しています。

「真の問題は、時間と人手です」。Adhikari はこのように言っています。「私たちは、今までよりも効率的で真に価値のあるソリューションを見つけ出せると思ったので、この取り組みを開始しました」。

Kevin Allen と Liz Klipp が情報提供でこの記事に貢献してくれました。

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