この記事は「Call for Code Blog – Frontier technologies to protect the environment and tackle disaster response and resilience(2019å¹´5月24日公開)」の翻訳です。

災害のリスクを軽減するためにテクノロジーを利用する方法

私たちは先週、ニューヨーク市にある国連本部で開かれた国連主催のイベントに参加する機会を得ました。今年で 4 回目となる、持続可能な開発目標に向けた科学、テクノロジー、イノベーションに関するマルチステークホルダー・フォーラム、STI Forum には、テクノロジーのギャップ、ニーズ、そして国連の持続可能な開発目標 (SDGs) の達成を促進する能力開発機会についてディスカッションするために、世界中のソート・リーダーたちが集まりました。SDGs は、2030 年までに世界をより良い場所に変えるための 17 の目標からなります。これらの目標は、貧困、不平等、気候変動対策を具体的な焦点としています。

STI Forum のパネル・ディスカッション参加者

私たちはそれぞれの組織を代表して、Frontier Technologies to Protect the Environment と題したパネル・ディスカッションに参加しました。

開会の挨拶を述べたのは、国連のメキシコ常任委員代理 Juan Sandoval Mendiolea 大使です。国連の ITU 代表である Ursula Wynhoven 氏の司会により、パネルでは次のソート・リーダーがプレゼンテーションを行いました。

  • Chaesub Lee 氏、ITU 電気通信標準化局長
  • Kai Uwe Barani Schmidt 氏、Carnegie Climate Geoengineering Governance Initiative (C2G2) プログラム専務理事
  • David Meltzer 氏、世界衛星産業団体事務局長 – GVF
  • Melissa Sassi 氏、IBM Z エコシステム・スタートアップ・プログラム・マネージャー – IBM
  • Paul Maseli 氏、国連部長兼 UNIDO 代表

先端テクノロジー

特に話題となったのは、自然災害に備え、その影響に対処する上で、最先端の革新的テクノロジーがもたらす計り知れない可能性です。こうした技術的イノベーションを利用するということは、SDGs の達成に向けた取り組みを加速化する大きな可能性を意味します。

自然災害の数とその影響が増え続ける中で、テクノロジーが重要な役割を果たすことは周知の事実です。Lee 博士は、新しい最先端の革新的アイデアをいくつか取り上げましたが、そのどれもが、自然災害に対する回復力と反応性の在り方を変える力を示していました。そのようなイノベーションには、人工知能 (AI)、モノのインターネット (IoT)、第 5 世代モバイル (5G)、デジタル化とビッグデータ、スペース 2.0、ロボット、クリーン・エネルギー、デジタル・ツインが含まれます。参加者からは、さらに他のアイデアとして機械学習 (ML) とブロックチェーンの 2 つも提案されました。

「私たちは膨大な量のデータを蓄積し続けています。このデータの意味を理解できるようになる上で、大きな一歩を踏み出しています」。これは Lee の言葉です。「私たちは社会としての自分たちについて、そして社会と地球との関係について学習を重ねているところです。世界中に溢れるさまざまなつながりについて、より正確に理解しようとしているところです。新しいテクノロジーには、社会、経済、環境の持続可能性において有意義な進歩を遂げる新しい可能性が見て取れます。ITU は、こうした新しいテクノロジーを適用して最大限の効果を上げるために不可欠な国際的なコラボレーションを支援しています。」

衛星の接続

デジタル・インクルージョンの導入者兼擁護者として、私たちテクノロジストが常に考えているのは、インターネット・アクセスやデジタル・スキルについてであり、これらを有意義に活用して、有益なヘルスケア、教育、経済効果を促進するためのイノベーションについてです。

GVF のプレゼンテーションでは、自然災害の緩和において衛星テクノロジーが果たす役割を強調していました。地球観測衛星を使用して、損傷したインフラストラクチャーの地図を作成すれば、被災したコミュニティーへの支援提供計画に役立ちます。また、通信衛星を使用して迅速に通信ネットワークを再構築すれば、遠隔医療、モバイル・ホットスポットなどの災害時サービスが可能になり、被災者が行方不明の家族を探す助けにもなります。GVF は Crisis Connectivity Charter というプログラムも紹介しました。これは複数の衛星産業関係者、国連人道問題調整事務所 (OCHA)、Emergency Telecommunications Cluster (ETC)、世界食糧計画 (WFP) によってサポートされるプログラムです。

今年の STI Forum は、重要なディスカッションとなりました。世界中の接続性に関するソート・リーダーたちが集まり、災害対応組織に対し、トレーニング、設備、衛星容量という形で、無料で緊急時通信サポートを提供したのです。以下に、今年の Forum のディスカッションで要点となったサンプル・プロジェクトについて簡単に説明します。

サンプル・プロジェクト

マッピング

2018 年の後半に、ハリケーン・マイケルはフロリダ州の北西海岸に想像を絶する被害を残しました。さまざまな組織と何百人ものボランティアが復旧活動に参加する中、SES Networks は通信ネットワークを復旧すること役割を分担しました。SES Networks 独自の Medium Earth Orbit 管理サービスにより、Information Technology Disaster Resource Center (ITDRC) は災害後の被害を迅速に評価してマッピングし、被災したコミュニティーが立ち直って家族とつながれるよう支援することができました。

以下の動画で、開発者が NASA の衛星データを使用して山火事を予測するというシナリオをご覧ください。

健康

さらに、SES の衛星対応テクノロジーは、遠隔地での e-ヘルス・サービスでも重要な役割を果たしています。遠隔地では、インターネットに接続できないことが、適切なヘルスケアを提供する上で大きな障害となっていました。SES の接続性プラットフォームにより、世界中のヘルスケア専門家たちがビデオ会議を利用したり、トレーニングの実施、医療レコードの管理 、仮想診療などを行ったりできるようになりました。

衛星ベースの遠隔治療も、衛星テクノロジーの一面です。災害対応に関しては、このコンセプトは新しいものではありません。Geeks Without Frontiers が指摘したように、1980 年代後半に発生したアルメニア地震の際は、組織は国連の SDGs を達成する手段として主に衛星の接続を利用しました。静止衛星を使用して、被災したコミュニティー内の病院を米国内の医療施設につなげ、遠隔から手術や感染病などミッション・クリティカルな相談に対応できるようにしたのです。

その他のコンセプト

初期の衛星テクノロジーにおけるイノベーションの例 (米国とソ連の Space Bridge プロジェクトによって実現) は、現在では低コストのハイパフォーマンス・ソリューションに進化しています。この進化の推進力となったのは、衛星の進歩だけでなく、再生可能エネルギー、ビデオ会議、ワイヤレスおよびクラウド・ベースの機能における進歩です。それと同時に、多数の公共部門や民間部門の災害対応関係者たちを活用した戦略的対応計画が策定されたことにより、災害への準備 (真の財政的に持続可能な準備) も進化しました。

IBM Cloud Hyper Protect Services

高度にセキュアな AI、ML、データ、アナリティクス・ソリューションを作成して実装するには、IBM Cloud™ Hyper Protect Services を利用できます。このサービスでは、皆さんのような開発者やデータ・サイエンティストが IBM LinuxONE をベースに作成された一連のクラウド・サービスを利用してクラウド・アプリケーションを構築できるようになっています。IBM Cloud Hyper Protect Services は、データを暗号化して、クラウド管理者からも保護することによって、ハードウェアとポリシーの両方による最高レベルのセキュリティーを実現します。

Call for Code にソリューションを応募してください

クラウド・コンピューティング、ML、AI、データ、アナリティクスなどの先端テクノロジーによって自然災害に備えるとともに対応することに興味はありますか?作成しようとしているソリューションで衛星との接続が果たす役割はありますか?

開発者やデータ・サイエンティストには、抜本的な改革とイノベーションを実現する可能性が無数にあります。つまり、世界を変えて、私たちの前に立ちはだかる最も困難な課題の 1 つ、自然災害への対応と準備に対処する力があるのです。テクノロジストが世界を変えるイノベーションを実現する 1 つの手段として、Call for Code Global Challenge に参加しませんか?

IBM が共同で設立した Call for Code というグローバル・チャレンジでは、自然災害の対策、対応、復旧を目的としたスケーラブルで持続的なソリューションを開発するよう、ソフトウェア開発者、データ・サイエンティスト、テクノロジストに呼び掛けています。

Call for Code チャレンジの呼び掛けに応じて、このブログ記事で紹介したような独創的で革新的なソリューションを作成してください。今年のチャレンジで特にフォーカスしているのは、ヘルスケア、医療記録へのアクセス、災害弱者などです。今年のフォーカスについて詳しくは、開発者に向けた CTO からのレターをご覧ください。

リソース

ディスカッションに参加する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です