概要
最近では、ブロックチェーン・テクノロジーでもクラウド・テクノロジーでも分散型ストレージの需要が高まってきています。多くのブロックチェーンではデータの整合性を証明するために構造化データ・ストレージを使用していますが、非構造化データ・ストレージでも、クラウドでの場合と同じように信頼性とプライバシーを確保できるようにする必要があります。InterPlanetary File System for Business (IPFSfB) を使用すると、ブロックチェーン内で非構造化データの分散型ストレージを実現できます。このコード・パターンでは、あらゆるブロックチェーンに対応する IPFSfB を使用して、このようなプライベート・ストレージ・ネットワークをエンタープライズ形式で構築する方法を説明します。
説明
データ損失、重複、改ざん、コンテンツのアドレス指定は、多くの企業と開発者が直面する課題です。こうした問題をまとめて解決する、包括的なストレージ・ソリューションがあります。それが、InterPlanetary File System for Business (IPFSfB) です。
InterPlanetary File System をベースとした IPFSfB は、Git MerkleDAG、BitTorrent Bitswap プロトコル、そして Kademlia DHT の機能を結合し、暗号化ツールを使用して libp2p プロトコルに基づくプライバシー・レイヤーを構築します。
このコード・パターンでは、Hyperledger Fabric の Building Your First Network (BYFN) サンプルから得た発想を基に、Docker と Docker Compose を使用して IPFSfB を作成します。この方法を取れば、あらゆるプラットフォームやコンピューター上で IPFSfB を迅速に起動して、あらゆるブロックチェーンが非構造化データを保管できるエンタープライズ形式の分散型プライベート・ストレージ・ネットワークを実行することができます。
このコード・パターンでは、IPFSfB を使用してエンタープライズ形式の分散型プライベート・ストレージ・ネットワークを構築する方法を説明します。
フロー
フロー 1: コントリビューターの場合
- ソース・コードを取得します。
- ツールまたはイメージをローカルで作成します。
- バグを見つけ、問題を作成して改善を加えることでコントリビューションを開始します。
フロー 2: ユーザーの場合
方法 1
- ショートカット URL を使用してシンプルなネットワーク・パッケージを取得します。
- シェル・スクリプトを使用してプライベート・ネットワークを起動した後、ステップ 8 までスキップしてプライベート・ネットワーク上での操作を行います。
- Docker コンテナーを起動して、各コンテナーにアクセスします。
- コンテナー内でプライベート・ネットワークの設定を構成します。
- コンテナーを終了し、Swarm キーを生成します。
- 生成された Swarm キーを各コンテナーにコピーします。
- コンテナーを再起動して、プライベート・ネットワークをアクティブにします。
- コンテナーにアクセスします。ユーザーはプライベート・ネットワーク上の通信機能を使用して、例えば次の操作を行うことができます。
- ネットワークへのファイルのアップロード、ファイルの表示、ネットワークからのファイルのダウンロード。
- ネットワーク上での Web サイトのホスティング。
- その他多くの機能
方法 2
- ソース・コードを取得します。
- sample ディレクトリー内の simple network フォルダーにカレント・ディレクトリーを変更し、上記の方法 1 のステップ 3 を実行します。
- 方法 1 のステップ 4 を実行します。
- CLI コンテナーにアクセスします。
- CLI コンテナー内で Swarm キーを生成し、そのキーをローカル・ファイル・システムにコピーします。
- 方法 1 のステップ 6 を実行します。
- 方法 1 のステップ 7 を実行します。
- 方法 1 のステップ 8 を実行します。
手順
詳細な手順については、README ファイルを参照してください。